こんにちは! ユメメです^^
今回は『FIRE 最強の早期リタイア』 という本について書いていきたいと思います。
コロナからの脱却に向けた世界的な金融緩和。
そしてその後に訪れた世界的な情勢不安と米国金利の上昇、コロナからの回復。
株式市場は激動の最中にあると感じる方も多いのではないでしょうか?
今回紹介する本は30代にしてFIREを達成した著者による早期リタイアに向けた全技術を解説した本です。
この本の紹介を通じて
- 本の著者はどのようにしてFIREに至ったのか?
- 現代ポートフォリオ理論とは?
- 現代ポートフォリオを実践する4つの手順
について紹介していきたいと思います。
この本の紹介は2部構成となっており、今回は前半部分になります。
この記事を読むことで、現代ポートフォリオ理論を理解することができ、今起きている株価暴落中にどうするべきか?その考え方を身につけることができます。
それでは、始めていきましょう!
目次
チャート1 欠乏マインド
1日44セント。
1987年当時、米国の平均年収は1万842.6ドル。一方中国では1,459元。つまり327ドル。
これは中国の大都市を含めた平均年収で、著者が住む地域の平均は161ドルであり、父、母、当時5歳の著者の3人で生活に使える金額は1日44セント。
日本円にすると1日44円。生活を成立させるにはどうするか?
- 医療産廃物の山から「ゴム手袋」というお宝を見つけて結び合わせて縄跳びを作る。
- 草や葉っぱ、虫が食べ尽くされた後、「土」に手をつける。
プレゼントのコカ・コーラを一週間かけて1滴1滴大切に飲み干した後、缶は「コップ」や「歯ブラシ入れ」、「ヘアローラー」に変身する。
これがのちに1億円を貯めて31歳でFIREを達成した著者が暮らした幼少期です。
チャート2 支出の種類と注意点
著者はこの時の「欠乏マインド」のおかげでお金は尊いもの、1ドルを大切に使う価値観を身につけました。
そして、この経験から著者は支出には異なる3つの性質と、ひとつの落とし穴があると唱えたのです。
基礎的な支出:家賃や光熱費、食費などの生活に最低限必要な支出で幸福感に影響を与えない支出
ご褒美的な支出:スイーツや高級なディナーなどの幸福感を高める支出
想定外の支出:病気や事故などの幸福感を減少させる支出
幼少期にコカ・コーラ1缶を1週間かけて味わっていた著者は社会人になり、自動販売機でコカ・コーラを20本買うことができるようになりました。
幼少期の価値観のまま20本のコーラを手にしたとしたら?それを飲み干すのに20週間、半年近くコーラを飲み続けなければなりません。
しかし、実際にはそうならないのは、脳は期待値を常にリセットするからです。
これが著者が主張する支出の落とし穴です。
脳の中では快楽物質である「ドーパミン」を感知する脳の器官「側坐核」が順化するため、一度目よりも二度目の方が幸福感が下がります。
もし、ある支出が幸福感を高めないのであればその支出を削っても幸福感に影響を与えない。
こう言い換えることもできるのではないでしょうか?
チャート3 現代ポートフォリオ理論とは
幸福感に影響しない支出は投資に回してお金がお金を生み出す仕組みを作る。著者は投資への一歩を踏み出しました。
投資を始めるにあたって、著者はある論文を目にしました。
ハリー・マーコウィッツが唱えた現代ポートフォリオ理論です。
現代ポートフォリオ理論では資産は「期待リターン」と「ボラティリティ」という2つの指標で表されるとしています。
期待リターンとは、ある資産の期待年率リターンのことで、パーセントで示される指標です。
ボラティリティとは、その資産の日々の変動率であり、標準偏差で示されるものです。
資産運用をする上で資産価格の変動リスクを軽減しながら一定のリターンを得るためには複数の異なる銘柄や複数の資産に分散して投資するのが有効である。
ということです^^
チャート4 実践① 現代ポートフォリオ理論の作り方
そして、著者はこの本の中で現代ポートフォリオ理論を実際の資産運用で実践する上での4つの手順を解説しています。
4つの手法、順番に見ていきましょう^^
実践① 株式のアロケーションを選ぶ
現代ポートフォリオ理論を実際の資産運用で実践するための方法一つ目は
株式のアロケーションを選ぶです。
- 株式の保有割合を高める場合、得られるリターンは上がりますがその分リスクも上がります。
- 一方で債権の割合を高めると安定感は増しますが得られるリターンは少なくなります。
一般的には年齢と同じ割合で債権を保有し、残りは株などの比較的リスクの高い資産でポートレートを形成すると良いとされています。
しかし、年齢や家族構成、収入やFIREをいつまでに達成したいかなどの条件によって割合は調整すべきです。
例えばあなたが20代で安定した収入があり、家族がいない場合
早く資産を拡大させたいと思うのであれば少しリスクをとって株式8割/債権2割などにしても良いでしょう。
逆に50代後半で家族持ちの場合
65歳で退職したタイミングに株価が暴落しているリスクを考慮し債権の割合を少し高めておくのが良いでしょう。
個人の状況によって答えが異なるため、それぞれのリスク許容度の範囲内での運用をする。
ご参考までに「株式6割/債権4割」これが著者の出した結論でした。
実践② 指数を選ぶ
現代ポートフォリオ理論を実際の資産運用で実践するための方法二つ目は
株式の指数を選ぶです。
株式と債権の割合を決めた後は購入する銘柄を選びましょう。
長期的に積立運用するのであれば手数料の安いインデックスファンド例えばemaxis slim S&P500や楽天VTIなどが広く勧められています。
ただし、ホームカントリーバイアスという偏見があることにも注意が必要です。
例えばあなたが日本人だとして投資の知識がまだ浅い時、有名な日本株の企業に投資しようと考えるはずです。
世界中の投資家が自国に投資することを好み、株式のおよそ75%を自国に投資するというデータもあるのです。
自国の株式のみに投資するのか?米国株のみに投資するのか?最終的に決めるのは自分自身ですが、自分の選択には必ずバイアスがかかっているということは意識すべきでしょう。
参考に著者が選んでアロケーションは以下の通りです!
第9章 株式市場の暴落をいかに乗り切るか より
実践③ 投資ファンドを選ぶ
現代ポートフォリオ理論を実際の資産運用で実践するための方法三つ目は
株式の投資ファンドを選ぶです。
投資ファンドとは複数の投資家から資金を集めて投資を行い、運用の専門家がまとめて投資、運用する仕組みのことです。
投資ファンドには上場投資信託(ETF)と投資信託の2種類がありますが、分配金の受け取り方法や手数料の違いがあります。
最近では手数料はETFの方が若干有利です。この違いは5万円を20年間インデックス積立した時に数十万円の差額になる程度ですので、投資においては80点くらいは取れていると考えて良いでしょう。
大切なのはETFでも投資信託でも手数料の安いファンドを選ぶということです。
ご参考に、著者は人気のあるETFリストを以下に紹介します。
指数 | ETFの名称 | ティッカー | 経費率 |
S&P500 | Vanguard Total Stock Market | VTI | 0.04% |
TSX | BMO S&P/TSX Capped Composite Index | ZCN | 0.05% |
MSCI EAFE | Vanguard FTSE Developed Markets | VEA | 0.07% |
US Bonds | Vanguard Total Bond Market | BND | 0.05% |
Canadian Bonds | BMO Aggregate Bond Index | ZAG | 0.09% |
第9章 株式市場の暴落をいかに乗り切るか より
実践④ リバランシング
現代ポートフォリオ理論を実際の資産運用で実践するための方法四つ目は
リバランシングするです。
2008年9月。
1ドルを大切に使いながら年収のほとんどを投資し始めた著者は初の暴落を経験します。
リーマンショックです。
金融危機に際して著者を救ってくれたステップこそがリバランシングでした。
株価が下落している時に株式を購入するのは勇気がいるものですよね^^;
1万円購入したら5,000円になっている。これに近い下落率が実際に起きたのが2008年のリーマンショックなのです。
高い時に買って安い時に売ることがお金を失う方法です。
では安い時に買って高い時に売るにはどうしたら良いか?
「債権」という暴落していない資産を売却して暴落中の株式を買い増す。
これが現代ポートフォリオ理論が示す解です。
最後に
今回は『FIRE 最強の早期リタイア』について紹介した、前半部分の内容でした。
現在の株価下落相場にあって債権を売って、株式を購入するリバランシング。
理論的には正解と分かっていても実際には精神的な強靭さが求められる行為です。
お札の端に火をつけていくような気持ちになりますよね^^;
しかし、もう一度言いますが現代ポートフォリオ理論的には正解なのです。
株価が急落しているこの機会に、改めて現代ポートフォリオ理論を学び直す重要性は高いかと思います。
株を既に運用されている方、株をこれから始めようと考えている方にとって、この記事が少しでもあなたの役に立てば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
by ユメメ (╹◡╹)
2022年5月、多くの方にとっておなじみのファンドS&P500が急落しています。